神話を知ると参拝は100倍楽しい【イントロ編】

こんにちは。サトウです。

今日の雑談は【神話を知ると、参拝は100倍楽しい~イントロ編~】です。


なぜ神話を知ると、参拝が楽しくなるのか?

神社はそれぞれお祀りされている神さまが異なるんですね。
(もちろん、同じ場合もあります。)

例えば、一つの神社に複数の神さまがお祀りされている場合がありますが

それは神話の中で関係の深い神さま同士がお祀りされている、ということもあるのです。

そうすると、神社に行ったときにわかることが増えてくるのです。


例えば、全国には氷川神社という神社が多くありますが(特に埼玉・東京の荒川沿いに多いといわれる)

氷川神社では主祭神(メインでお祀りされている)は、須佐之男命(すさのおのみこと)という神さまです。

そこに一緒に櫛名田比売くしなだひめ稲田姫命いなだひめのみこと、などと言われることもある)がお祀りされていることがあります。

これは、この二柱が神話の中で夫婦になるからです。

物語を知っていれば、「だから、このご祭神同士が一緒にお祀りされているのか!」

とアハ体験できるのです。



私はもともと日本神話を全くと言っていいほど知りませんでした。

中身はよく知らないけど、”稲羽いなば白兎しろうさぎ“の話はなんとなくきいたことがあるなぁ・・・

とか

洞窟に隠れた神様がいて、世界が真っ暗になってしまった?という話があったような・・・

というくらいの知識でした。

もはや知識とは言えないですね。


でも、それを知っていて神社参拝に行っていたら、もっと楽しかっただろうな、と思うのです。

昔はそれを知らずに神社に行っていました。

例えば誰かに「この神社にはこの神さまがお祀りされているんですよ」とか教えられたとしても

そもそも名前を覚えられないし、何の神様なのか全然わからないので

興味が持てなかったんです。


だから、ただただ観光的な感じで参拝に行って、社殿が立派だな~とか思うくらいで終わっていました。

ただ神社を”見物”する感じだったのですね。

それはそれで、全然いいと思うんです。

何となく神社に行って、何となく清々しい気持ちになったりするのでも別に構わないと思います。


でも私の場合は、しばらくするとどの神社に行ったか忘れちゃうんですよ。

印象に残りにくいんです。


知り合いと話していた時に、その人がこう言っていたことを思い出しました。

「神社は色々行ったんだけど、どこも同じように見えるから、時間が経つと行ったかどうかも忘れちゃうんだよね」

これを聞いて、私もそうだった~と思いました。

神社の違いがわからないから、同じように見えてしまう。



それでもう一つ思い出しました。

私は多分、高校生か大学生くらいの時に奈良の春日大社に行ったことがあると思うんです。

でも、覚えてないんですよ。

春日大社といえば、超有名ですよね。

日本人だったら名前は聞いたことがあると思います。

でも、当時は何も知らなかったので、行ったときは「立派だな~」とか思ったのかもしれませんが

それから20年ほど経過している今では、本当に行ったかどうか、全然記憶がないんです。




でも、今では春日大社に訪れたならば、それを忘れることはないでしょう。


なぜなら、春日大社の神さまは「天児屋命(あめのこやねのみこと)」という神さまだからです。


この神さまは、天照大御神あまてらすおおみかみという神さまが、岩戸に引きこもって世界が真っ暗になってしまったときに

祝詞、という神様に奏上する言葉があるのですが(祝詞なだけに神さまをノリノリにさせる言葉、と覚えたらいいかもしれません)、祝詞を奏上した神さまなんです。

のちに、天上にいる神さまが地上に降りて国を治める、という話が神話で出てくるのですが

その時に代表の神さまとともに一緒に天降ってきた神さまです。


それで、、、”藤原氏”って歴史で出てきましたよね。

大河ドラマ『光る君へ』でも注目(?)の藤原氏です。


その祖先(祖神おやがみ)は、天児屋命なんです。

つまり、天児屋命という神さまの子孫が、藤原氏です。

信じるか信じないかは別として、そうなっているんです。


で、私はサトウという名字なんですが、”佐藤”という名字は藤原氏から派生した名字といわれています。

ということは、私の祖神さまも、天児屋命なのだろうか???

と思うわけですね。

佐藤さんってたくさんいるので、もしかしたら全然関係ない佐藤さんなのかもしれませんし、

私の家は代々由緒あるなんとか~みたいな家ではないので

本当のところはわかりません。

でももしかしたら、祖神なのかもしれない!

という想像が膨らみます。

こうした知識があって春日大社に参拝に行ったならば、春日大社に行ったことを忘れることはないでしょう。


そういうわけで、、、

ちょっと神話を知るだけで、神社に対する思いがガラッと変わることがあります。

それが、おもしろい。

少なくとも、私にとってはすごくおもしろいことです。


昔は「何となく有名だから、この神社に行ってみようかな」という考えだったのが

今は「この神さまにお参りに行きたいから、この神社に行こう!」

という世界になってきます。


こうなってきたら、どんどん色々な神社に行きたくなります。

行かずにはいられなくなります。


神さまが分かれば、神社参拝は100倍楽しいのです!





神話の流れ

ということで前置きが長くなりましたが、今日は神話の流れを大まかに知ることにしたいと思います。

日本神話が描かれている書物には『古事記』と『日本書紀』があります。

古事記は国内向け、日本書紀は海外向けに書かれたもの、と思っていただけたらいいかと思います。


もう少しいうと、

『古事記』は神さまの時代~33代目の推古天皇までの記述があり、古い伝承や信仰を中心に書かれたものです。

『日本書紀』は41代持統じとう天皇までの記述があり、国史として正しく記載することが目的だといわれます。




この二つを合わせて「記紀きき」と書くこともあります。

記紀では登場する神さまやストーリーが若干異なっていることがありますが、全体の流れはだいたい同じです。


今回は、細かいことはあまり気にせず、まずはストーリーを掴むことを目的としたいと思います。


そして、ここでは古事記を基本として話をしていこうと思います。

古事記は全部で三巻で構成されており、それぞれ上巻かみつまき中巻なかつまき下巻しもつまきといいます。




上巻

上巻では、世界と神々の誕生から初代天皇である神武じんむ天皇の誕生までが描かれています。

<世界の始まりと、神々の誕生>
・古事記ではまず世界が誕生し、神様が次々に現れます。
・イザナギ・イザナミの夫婦神が日本列島や神さまを生みます。
・最も貴い神さまである天照大御神あまてらすおおみかみ・ツクヨミノミコト・スサノオノミコトが生まれます。
・天照大御神が天石屋戸に隠れてしまう事件が起きますが、神様たちが協力して天照大御神を外に連れ出します。
・この事件の原因であるスサノオノミコトは追放されてしまいましたが、その後八岐大蛇退治で活躍します。

<大国主神の国造り>
・場面は変わって、出雲大社の神さまである大国主神おおくにぬしのかみが登場します。大国主神は様々な試練を乗り越え、国造りに励みます。

<国譲り>
・天照大御神は、地上の神々が治めている地上の国を、自分たち(天上の神)が治めるべきと考えます。
・そこで天上の神さまは、地上の神さまに国を譲るよう説得しに行きます。
・国造りをした大国主神は、天上の世界に届くほど高く宮殿を作ることを条件に、国譲りを申し出ました。これが、出雲大社の起源といわれています。

<天孫降臨>
・地上を統治するため、天上の神さま(天照大御神の孫であるニニギノミコトなど)が地上に降りてくる。
・ニニギノミコトはコノハナノサクヤビメと結婚し、ホデリノミコト・ホオリノミコトを出産。

<のちに初代天皇となる、イハレビコの誕生>
・ホオリノミコトと海神の娘が結婚し、ウガヤフキアエズノミコトを出産。
・ウガヤフキアエズノミコトが結婚し、生まれた子どもがイハレビコであり、のちの神武天皇となる。

中巻

<神武天皇の即位>
・イハレビコは天下を治めるために九州から東へ向かう。
・その後イハレビコは大和(奈良県)を平定し、神武天皇として即位。

2代綏靖すいぜい天皇から15代応神おうじん天皇までが描かれる。
有名なヤマトタケルノミコトの話はこの中で登場。

下巻

16第仁徳にんとく天皇から33代推古すいこ天皇までの出来事が記される。



という感じで、古事記のざっくりとした中身をご紹介しました。

中巻と下巻はずいぶんあっさりしてしまいましたが、また今後詳しく説明したいと思います。

なんとなく、流れがわかっていただけましたら幸いです。

神さまの名前は漢字で書くと難しくなると思ったので、この神さまだけは覚えておきたい、という所以外はカタカナで記載しました。

ちなみに同じ神さまでも漢字が違ったり、名前が違ったりするので慣れるまではややこしいんですよね。




日本神話のおもしろいところは、神さまの子孫が天皇となったところです。

神話の世界は神話のおとぎ話、ではなくて、神話と連続した世界に天皇が生まれているのです。

そしてその系統は今日の126代天皇まで脈々と受け継がれているのです。


なので歴代天皇は神さまと祭祀を行っているんですね。

神さまとお祭りをして、国と国民が安らかであるように祈ってくださっているのが天皇です。

それはこの現代においても、です。

現代においては、祭祀や祈り、というものはおまじないのようなもの、と考えられがちかと思います。

でも、初代神武天皇が即位されたのが紀元前660年といわれており、今日まで日本という国が滅びることなくずっと続き、世界一長い歴史を持つ国になったのは、天皇が存在していたからなのです。


私は昔、天皇って何してるんだろう、とか天皇って必要なの?と思っていたのですが、今考えると非常に恐れ多いことでした。汗

神話やこの国の成り立ちを学ぶほど、天皇って必要だったんだ・・・!とわかり、日本を誇りに思えるようになってきます。

それが私が神社参拝にハマっている理由なんだと思います。


ということで、神話を知ると神社参拝が100倍楽しくなるのです!

神話の話はまた引き続き詳しくご紹介しますね。

では、今日もありがとうございました!

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