ぼた餅の七変化

こんにちは。サトウです。

今日のゆる雑談は春のお彼岸にちなみ、【ぼた餅の七変化】です。



さて、春のお彼岸にはお仏壇にぼた餅をお供えする方も多いでしょう。

和菓子屋さんでも、ぼた餅の販売が始まります。(年中販売しているところもありますが)

この春のお彼岸のぼた餅ですが、秋のお彼岸にお供えする「おはぎ」とはどう違うのでしょうか・・?

見た目はおんなじように見えますよね。


実は・・・

同じもの、のようです。

材料も作り方も同じで、名前だけが違う。

名前は花にちなんでおり、春の牡丹の花からぼた・・餅、秋の萩の花からおはぎ・・、とつけられたそうです。

日本らしい、ネーミングですね。




それでですね、

今日の雑談タイトルは「ぼた餅の七変化」ということでしたが、

ぼた餅は名前を7つもつ和菓子なのです。

<ぼた餅の7つの名前>
①ぼた餅
②おはぎ
③月知らず
北窓きたまど
⑤着き知らず
夜船よふね
⑦隣知らず

これはすべて同じものを指します。名前が違うだけなのです。


①、②はいいとして、③からの名前の由来を説明します。

普通のお餅を作る時には、蒸したもち米を滑らかなお餅になるまで頑張っていて作りますよね。

でもぼた餅とおはぎは、蒸したもち米を練りつぶすだけでよいのです。


つまり、搗かなくてよいから「つきしらず」

そして、これに漢字を当てはめて「月知らず」。

そして、月知らずということは、月が見えない。だから「北窓」。

そして、「つきしらず」は「着き知らず」と漢字を当てはめることもできます。

そして、「着き知らず」ということはいつ到着したかわからないから「夜船」。

そして、搗いている音がしないから、お隣さんはいつ作っているのかわからないので、「隣知らず」。


こじつけのような呼び名もありますが、、、

このように色々な名前で呼ばれるほど庶民に親しまれていたとのことです。

家庭で作りやすいから、お彼岸のお供え物としてつくられるようになったともいわれています。




江戸時代には四十九日の忌明けにも食べる習慣があったそうです。

それにちなんでこんな川柳が詠まれたそうです。

ぼた餅をいさぎよく喰ふ嫁の里

ぼた餅を笑て喰うてしかられる

嫁いびりをしていたお姑さんが亡くなったあとに、お嫁さんがぼた餅を平らげたり笑って食べて叱られた、という様子です。笑



ぼた餅がお彼岸や忌明けと結びついた理由ははっきりとはわかっていないそうですが

小豆は赤色で邪気を払う意味があるからではないか、といわれています。


ちなみに、6月の和菓子に「水無月」という和菓子があるのですが

このお菓子も邪気払いの意味を込めて小豆が使われているんだそうです。



ということで、今回はぼた餅の七変化についてのお話でした。

和菓子って、背後のストーリーや小話を知っていると余計に味わい深くなりますよね。

またいつか季節の和菓子や、お気に入りの和菓子を紹介する回もやりたいと思います。

では、今日もありがとうございました!


参考:

季節の行事と日本のしきたり事典ミニ|新谷 尚紀

和菓子ものがたり|中山 圭子

和菓子のアン|坂木 司

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